chocolate mint
ニッコリと笑いながら『橘さんに』を強調して話すと、僕が本当に言いたいことが伝わったのか、二人の顔色がサッと変わった。



……二人とも、今の今まで僕が何も知らないと思っていたんだろうな。



悪いけど、これも自業自得だよ。



プライベートを仕事に持ち込まないければそれでいいっていうのが和希さんの方針だろうけど、だからといって何でもアリって訳じゃないと思う。



二人から直接聞いた訳じゃないけど、青木さんと有紗さんは付き合っていて婚約までしていたはずだ。



橘さんは『Felitita』の立ち上げからいて、マネージャーの中では一番古株の人だ。



有紗さんとは元々高校の同級生だったらしいけど……橘さんには妻子がいる。



僕はあなた達三人がどんな関係なのかも、



あなた達の間に何があったのかも知りたくはないし、そもそも全く興味が無い。



……だから、これ以上あなた達の関係で僕のプライベートが侵食されるのも、ぐちゃぐちゃにされるのも、振り回されるのもごめんだ。




そのまま青ざめて固まってしまった二人には目もくれず、僕は事務所を後にした。



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