完璧幼馴染の仮面が崩れるとき

久しぶりに見る壇家の車。
そこから降りてきた茉莉花の衝撃はすごいものだった。


ブラウンに染めた綺麗な髪のおかげで一段と垢抜けて見える。未だ健在の抜群のスタイル。元々綺麗だっていうのにきっちりメイクした茉莉花はもはや芸能人を超えていた。


「耀、元気だった？」


久しぶりに聞くその声は少し色気を含んでいて、茉莉花のさりげない仕草とか表情に俺は胸の高鳴りを抑えることができなかった。



そこから、茉莉花のことが忘れられず、ぼんやりしてたら付き合っていた彼女に振られた。


このままじゃやばいと思って必死に就活して、とりあえず第一希望の王手総合商社に就職を決めた。
かなり嬉しかったけど、何よりも俺の心を掴んで離さないのは茉莉花だった。



そして、そのまま俺は就職。
堂々とミスキャンパスに選ばれ、さらに街で声をかけられて雑誌のモデルをするようになった茉莉花。
俺はそんな茉莉花に追いつきたくて必死に仕事した。



一段と美しさに磨きをかけた茉莉花の、ハタチの誕生日。
その日のディナーの約束をなんとか取り付けて俺は次こそ自分の想いを伝えようと心に決めた



待ち合わせ場所。
何度も頭の中でシュミレーション。

悩みに悩んで選んで、ちょっと奮発した腕時計のプレゼントをカバンの中に確認。



「耀、お待たせ」


そう言って現れた彼女はしばらく俺が見とれてしまうほど綺麗だった。でも、俺だってもう社会人。いろんな経験を積んできた。
負けてなんていられるか。と思ってカッコつける