ウラトルマン
…火星。

顔のない甲冑をモチーフとしたような、黒・銀のカラーリングの怪獣が立っている。

剣のような突起を持つ腕、収納可能な翼や細い尻尾、頭部の発光器官が不気味に点滅する。

彼がハイパーゼットソ。

嘗てウラトルマンを地球で敗北せしめた、ゼットソの新種である。

「く…そ…」

その足元に横たわっている赤と青のツートンカラー、銀色のラインが全身に走っている戦士こそがゼロだった。

宇宙警備隊は勿論、現在のウラトル星人の中で最強の戦闘力を持つ。

現在の宇宙最強と呼ばれる戦闘種族、ドラン人にも匹敵する戦闘力を持つ戦士だが、そんな彼でもハイパーゼットソには苦戦を強いられていた。

「畜生!」

素早く立ち上がり、不意打ち気味のパンチを繰り出すゼロ。

しかし。

「!?」

ハイパーゼットソはテレポートを駆使してゼロの攻撃を回避する。

「このっ!」

背後に回り込んだハイパーゼットソに裏拳を見舞うゼロ。

これもテレポートで躱し、瞬時にして背後へ。

ゼロが振り向いた瞬間。

「ぐあああああっ!」

10兆度という子供が考え付いたような出鱈目な温度の火球を放ち、ゼロを吹き飛ばした!

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