先生、ボクを飼ってよ


「まさしく犬って感じ」



修の言葉に頷き、あたしは少しずつ整理された話をしてみることにした。



「あたしさ……瑞貴はずっと恋愛に興味ないって、勝手に決めつけてた」


「まあ、あれ見てればそうなるだろうな」



修の言葉で、涙がこみ上げてくる。


でも泣くなんてキャラじゃないし、修の前で泣きたくなくて、あたしは必死に堪えた。



「なんか……生き急いだや。こんな結果になったって、告白できない」



あたしはポケットに入れていた、中間試験の結果を取り出す。



「入ったのか? 五十位以内」


「三十九位だった」



その紙を修に渡す。


すると、修はあたしの頭を優しく撫でた。



「よく頑張ったな。お疲れ様」



こんなの……


泣くなってほうが無理な話。



「修……!」



あたしはそのあと、修の優しさに甘えた。

< 44 / 116 >

この作品をシェア

pagetop