さよなら、嘘つき君。
▼過去の私
◆◆◆◆◆◆
成瀬君が私より先に駅を出て行ったあとに、私も急がなきゃと思い、改札口まで早歩きをして向かう。
改札口で時計を見ると、結構ギリギリな時間になっていた。
――ガラッ
急ぎ足で歩いたおかげで遅刻にならずに済んだ。
『あ、こころちゃん、間に合ったんだね』
「……う、うん」
――そうだった、成瀬君は私の前の席だったんだ。
席につこうとすると、さっき見たばかりの成瀬君が私へ声をかけてきた。