私を溺愛してください!
《宗吾side》

俺は耳を疑った。

全然気にならなかった訳じゃない。葉瑠を心配する様は、友人を心配するような感じじゃなかった。

店にいるときの、葉瑠へ態度も、他の客とは違うものだと感じていた。

でも、いざ澪の言葉を聞いて、今までの疑問が全て解け、合点がいった。

だからこそ、親友と呼べる澪の言葉はあまりに重かった。

「…澪」
「…これは脅しじゃない。本気だよ。だから、宗吾も、本気で葉瑠さんを幸せにする方法を考えろ。次に葉瑠さんが泣くようなことがあれば、自分の気持ちを葉瑠さんに告げて、幸せに全てをかけて、彼女を守る」

「…葉瑠は渡さない」
「…その言葉、忘れるなよ。俺の話はそれだけだよ」

そう言うと、俺に背を向けた澪。

俺も、立ち上がると、店を後にした。
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