私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
第七章 石堂慧の正体
翌日。

「いらっしゃいませ」

昨日のことであまり熟睡できなかった。考えないようにすればするほど考えてしまう。けれど、店で仕事をしているからには気持ちを切り替えなければいけない。

石堂さんから思わぬキスをされ、今朝、目を合わせるのも気まずかったというのに、石堂さんは何事もなかったかのように平然としていた。

神経が図太いというか、なんというか――。

石堂さんにとって、あんなのただの遊びのキスだったんだよね――。

意識しているのは自分だけだと思うと、虚しさが一層増した。
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