私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
翌日、早速私はスフラに問い合わせた。電話口に出たのは中年を思わせるような男性だった。物腰柔らかな口調で、もし時間があれば今日にでも面接に来てほしいと言われた。夕方の六時頃なら時間が取れるとのことだったけれど、なんとなく気持ちが落ち着かず少し早めに来てしまった。

店の内壁と同じレンガ造りの外観で、初めて来た時には気づかなかったけれど、壁のところどころに植物の蔦が這っている。けれど鬱蒼としている印象はなく、むしろ趣きがあった。

「よし!」

ドキドキしながら店内に入ると、今日は昨日とは違い物憂げなシャンソンが流れていた。どことなくメランコリー調の歌声が不思議と気持ちを落ち着かせてくれる。

何人かお客さんは入っているようだったけれど、空席もあるくらいだし、さほど忙しくはなさそうに見えた。
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