私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
俺はいつも、何事においてもスマートにこなす方だった。そんな俺が、こんなに焦って、余裕のない顔をして、みっともない姿を水谷に見られようが、もうお構いなしだった。俺はグランドパークホテルに乗り込み、しつこく挨拶をしてくるホテルの支配人をうまくかわして、彼女が待つ桔梗というレストランへ向かった。

一ノ宮夫妻は彼女を挟むようにして座っていたが、俺の顔を見るなりあまりの驚きに放心していた。実際こうして見ると、本当に厚顔無恥な夫妻だった。自分たちのしていることを必死に隠そうとしている姿に頭にきた俺は、一ノ宮夫妻にICレコーダーの内容をぶちまけた。

その時のあのふたりの顔と言ったら傑作だった。悪人を成敗したようなスカッとした気分になった。
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