私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
寝耳に水だ。そんな話しを聞かされると、もしかして沙耶がここに連れてきた本当の理由は、自分の幸せ話を聞いて欲しかったから?とつい穿った考えが頭をよぎってしまう。

でも、せっかく励ましてくれたんだもの、変な勘ぐりは良くないよね――。

「じゃあ、結婚するの? まだ二十四だし結婚なんて考えられないって言ってたのに?」

まんざらでもなさそうな沙耶の言葉に目線を上げると、はにかみながら沙耶はニコリと笑った。
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