sugar、sugar、lip
強気な女の子と無口な男の子
「えっ!? だって……彼女と別れたら付き合ってくれるって……」


目の前の名も知らぬ男が、涙ぐんだ目でわたしを見てる。


……ウザイ。


……泣いてんじゃないっての。



「言ってないよ。彼女とわたし、どっち選ぶの? って聞いただけ」


極上の笑みを浮かべて、わたしは彼にこう告げる。



彼はただただバカみたいに口を開けてわたしを見てる。



「て言うか、彼女いるくせに告ってくるってどうなわけ?」

腹が立つから言ってやる。


「わたしにフラれても良いように彼女キープしてたってこと? 何様のつもり?」



腕を組み、仁王立ちしたわたしを彼がキッと睨んだ。



その顔は、図星で何も言い返せないんでしょ?




……バカな男。



「……最低」


吐き捨てるような言葉を残し、わたしは放課後の体育館裏を後にした。





あぁ~スッキリした!!



憂さ晴らし完了♪



大体、中の下のクセしてわたしに告ってくるってこと自体が思い違い。



わたしを口説いていいのは、イイオトコだけって決まってんだから。
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