sugar、sugar、lip
与える傷と与えられる愛情
「昨日ドタキャンされちゃったの……」


休み時間。



大して可愛くもないクラスメートの女子が、最近付き合いだしたとかいうイケメン(自称)の彼氏の話を馬鹿デカい声で喋ってる。


友達の、

「有り得な~い!」

「最悪~」

っていう声に気分はすっかり悲劇のヒロイン。




「ウザい女……」



だからドタキャンされんでしょ……。



「……静葉。お願いだから、そんな過激な発言は控えてくれる?」


向かいに座った絢音の顔がすごくひきつってる。



あ……。


また言っちゃった……?



「ちょっと芳川さん?」



絢音の不安的中ってとこ。


さっきの悲劇のヒロインとその他二人が、めっちゃわたしを睨みながら近寄って来る。



「今、ウザいとか言わなかった?」


偉そうに腕組んでわたしを見下ろす女。




……何様のつもり?


「うん。言った」




必殺、極上の作り笑顔で彼女に返事する。


そしたら、顔見合わせて……、


「最悪~」


「ちょっと可愛いからって調子乗ってない?」


「はぁ?」



今、なんて?
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