sugar、sugar、lip
気になる女の子とマフィン
また、性懲りもなく放課後の学校にいるわたし……。



そして、



音楽室に響くポチポチポチポチ……。



『ていうか、喉悪いくせに無理してまで人に嫌味言うってどうなの?』



『言ってやんないとわかんないだろ。おまえ。感謝しろ』


『……バカねぇ』


一緒の空間に居るにも関わらず、並んで座って携帯を握るわたしたち……。



端から見たらおかしい二人なんだろな~。


快登くんにアドレスを教えてもらって以来。


わたしたちの会話手段は携帯のチャット機能。



こうして真横に居るのに、一言も交わさず会話するわたしたち。



そして、



『わざわざチャット機能使ってまで、バカとか言うか……』


相変わらず会話の中心は言い合いばっかり……。



それでも、



『今日のリクエストは?』



最後には必ず、わたしのリクエストを聞いてくれる米倉くん。




ねぇ……。




こんな関係、なんていうのかなぁ……?



クラスメート以上友達未満?



そんな決められた枠なんて要らないのかも……。



わたしにとって、



米倉くんは米倉くん。



それ以上でも以下でもない。
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