sugar、sugar、lip
真正面から彼を睨んだ。


やっぱり平然とした顔でわたしを見て、ただ荒げたわたしの声を聞いてるだけ。



「……そんだけ言いたいこと言えるくせに、なんで言わないんだよ」


「えっ……」



わたしを見据え、静かな声で彼が呟いた。



「……不器用な女」

微笑んだ彼はこう呟いて、くしゃりと軽くわたしの頭を撫でた。



何なのイキナリっ!?



そのまま去っていく米倉くん。



わたしはただ……音楽室の入り口に立ち尽くすしか出来なかった。






わたしだって言いたいよ……。



好きな人に好きって……。




もう遅い……。



伝えることも昇華することも出来ない気持ち……。




どうやったら楽になれるの?
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