sugar、sugar、lip
「バカッ! なんでそんなこと言うのっ? 病気抱えて卑屈になって……結局逃げてんじゃない!!」



こんなことが言いたいんじゃない……。


でも、



わたしの気持ちを疑う奏大が許せなかった……。



「そんなにわたしを拒否したいんだったらメールなんて送って来なきゃ良かったじゃない……。無視して突き放して……嫌いって言われた方が良いよ!!」



こう言って泣き叫びながら、



頭のどっかで冷静な自分が、



快登くんがフラれるって何度も言ってた意味がわかったって感じてた……。



こんな終わり方するくらいなら……言わなきゃ良かった……。



「嫌い?……言えるわけないだろっ」



苦しそうに呟いた奏大が、わたしを引き寄せる。



階段から落ちた時と同じ……。


奏大は、わたしをキツくキツく抱き締める……。



存在を確かめるみたいに……、



腕から逃げられないくらい……キツくキツく……。



「一日中だって、名前呼んで好きだって言ってやりたいよ……でも、俺にはしてやれない」



そんなこと……気にしてるの?



「……バカ」



そっと奏大に顔を近づける。
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