炭酸アンチヒーロー
「今日の相手、結構強いとこなんだって。……勝てるかな」
言いながら、佳柄が視線をグラウンドへ向けた。
……勝てるよ。祈るように胸の中でつぶやいた私も、同じくそちらを見つめる。
少し身を乗り出すようにしながら、沙頼が掲示板を確認した。
「うちの学校は、先攻みたいだね」
そうこうしているうちに、両校の練習やグラウンドの整備が終わる。
ベンチから選手たちが出てきて、それぞれのポジションについていった。
茶色のグラウンドに、ユニフォームの白がやけに鮮やかだ。
夏らしく照りつける太陽の光が、その色をさらに引き立てているのかもしれない。
「いっかーい! しまっていこー!!」
あたりに響く大きな声で、体格のいい相手校のキャッチャーが叫んだ。
選手たちの掛け声やサイレンを聞きながら、私は無意識に、スタンド席に置いた手をぐっと握りしめていて。
黒いヘルメットをかぶったバッターも位置につき、球場内に、アナウンスが流れる。
《……1回の表、藍坂高校の攻撃は──》
言いながら、佳柄が視線をグラウンドへ向けた。
……勝てるよ。祈るように胸の中でつぶやいた私も、同じくそちらを見つめる。
少し身を乗り出すようにしながら、沙頼が掲示板を確認した。
「うちの学校は、先攻みたいだね」
そうこうしているうちに、両校の練習やグラウンドの整備が終わる。
ベンチから選手たちが出てきて、それぞれのポジションについていった。
茶色のグラウンドに、ユニフォームの白がやけに鮮やかだ。
夏らしく照りつける太陽の光が、その色をさらに引き立てているのかもしれない。
「いっかーい! しまっていこー!!」
あたりに響く大きな声で、体格のいい相手校のキャッチャーが叫んだ。
選手たちの掛け声やサイレンを聞きながら、私は無意識に、スタンド席に置いた手をぐっと握りしめていて。
黒いヘルメットをかぶったバッターも位置につき、球場内に、アナウンスが流れる。
《……1回の表、藍坂高校の攻撃は──》