WANTED ~何故か隣国で指名手配されていたので、乗り込んでみました~ (平行世界)
3 カルマキル国 第2王城下町

 船がカルマキル国の港に着いた。

一泊した島からも数時間程も乗っていた所為もあって、地面に立ってもまだふわふわした感覚が離れない。
 早く宿で休みたいとアルカディアは切実に思う。
 泣いた(泣いてしまった?)おかげで心も軽くなって元気になったけど、シノと顔を合わせるのは照れくさい。
 ふと、彼の姿が周囲に見えないのに気が付いた。
「どこに行ったんだろう……?」
 さっきまで一緒にいて、降りて来た筈なのに……。
 日はもう山の向こうに沈みかかり、空は夕焼けで美しい。どこの土地でみても夕焼けは同じだ。
 心が和む。
 港町はやっぱり騒がしく、日が暮れ始めても賑わいは衰えを見せない。物心ついてからの初めての異国である。見るもの聞くもの、新鮮で楽しい。
 早く泊まる宿を探さなければ、いっぱいになって野宿になってしまう。
 船の待合室でキョロキョロしていると、ようやくシノの姿を見つけた。
「シノ、どこ行ってたのよ」
「そんなに心配してくれたんだ、僕のこと」
 笑いを含んだ勝ち誇った顔。
「心配なんかしてない!」
 また顔を赤らめて素早く切り返す。
シノはケラケラ笑っている。
 完全に反応をみて遊ばれている・・・。
「今日、ディアが泊まる宿の手配をお願いしていた」
「え?」
「また信用できない奴らに追いかけられて、危ない目に合ってもダメだから、知り合いに声かけに」
 確かに泊まった先に賞金目当ての人がいないとは限らない。もともとカルマキル国での噂話。
 名前を名乗るのも気を付けなければならない。
 しばらくすると二人の前に一人の人物が現れた。
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