虹色キャンバス
「樋口は母親みたいだな」

僕がそう言うと、

樋口はやれやれと言わんばかりの顔で


「村上君が子供すぎるだけ」

と言った。


座りなおした村上は、まじまじと目の前の石膏像を眺めた。


「ナイスボディだけど、いささか、この白い肌にも飽きたなぁ」


ミロのビーナス像

これを描くのは3回目だった。

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