白のアリア
結婚式前夜
「まあ美しいですわ〜アリア姫様」
「本当、綺麗……」

 アリアとクルスの結婚式まであと二週間。式の準備は目まぐるしくアリアをほんろうした。
 招待客の選定などは、アルバート達がしてくれるが、それ以外にも式の段取りからドレスの選定、そして体力作りと、アリアはクルスと会えない日々が続く。

 皆からドレス姿を褒められてアリアは正直嬉しかった。そして思う……

 クルスにも見せたいなぁ……。

 ふう……アリアの口からため息がこぼれる。それは今まで経験したことのないため息だっから、アリアは動揺した。

 素直に会いたいって思った。あんなやつに会いたい、それって何?何て名前?

「もう何なの〜」

 アリアが地団駄を踏んでいると、それまで黙って見ていた女官が話かけてきた。

「クルス様に会いたいですか?」

 雪の国の日が沈もうとしていた。

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