白のアリア
会いたい
 北国の夜は物悲しい。クルスは雪深い町をひたすらアリアの行方の手がかりを探した。しかし、ケルンの居場所には繋がらない。アリアは今、どんな気持ちでいるのか
クルスはそればかりを考えた。

 ふぅと息をはけば、白く
その痕跡が残る。

「アリア……ちゃんとご飯食べてるかな……
アリアって割と痩せてる割に
よく食べるからなぁ」
 
 クルスは貴族から一般人まで、その足で一軒一軒アリアの行方を探し歩いた。
 一見一枚岩に見えるこの国だが、密かにケルンを支持する者がいるのは確かだ。クルスを見て、歓迎する者、隠しながらも嫌な顔をする者、クルスはその人々の顔をじっと観察して、僅かな手がかりを探した。


 それはクルスが尋ねた最後の屋敷での事だった。

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