【完】俺がずっと、そばにいる。
ビックリした。いつもこうやってタイミングよく現れるんだから。
りっくんは、彼の親友の大宮玲二(おおみや れいじ)くんと一緒にいる。
玲二くんも私たちと同じクラスなんだけど、りっくんとはまた対照的なタイプで、明るく染めた茶髪、耳にはいくつかのピアス、腕にもじゃらじゃらブレスレットを付けていたりとかなり派手な見た目で、けっこうチャラい。
性格はすごくいい人だし面白いんだけど、女の子大好きで遊んでるから、りっくんはいつも呆れてる。
「いや、今ね、私が柚月だけに柚子が好きって話になって、だからりっくんは梨月だけど梨嫌いだよって言ったの」
「またその話かよ」
すると、横から玲二くんがひょこっと顔を出して、楽しそうに笑いながらりっくんの肩をバンバン叩いた。
「そうそう!果物コンビなのになー、お前ら!梨月、ゆずちゃんのこと“ゆず”って呼んでるんだから、お前もこの際あだ名“ナッシー”でいいじゃんもう」
「うるせぇ玲二」
「あははっ!でた、ナッシー」