【完】俺がずっと、そばにいる。

「はぁ……」


教室の端っこで窓の外を眺めながら一人ため息をついていたら、ポンと後ろから肩を叩かれた。


「また、フッたんだって?」


振り返るとそこに立っていたのは、同じクラスの友達、桜井梨月(さくらい りつき)。


私は“りっくん”って呼んでる。


唯一気が許せる男友達で、とても仲がいいの。


一年生の時同じクラスになって、それ以来ずっと仲がよくて、今では毎日のように一緒につるんでる。


一見クールだけど、根はすごく優しいんだ。


「うわ、りっくん。なんでそれ知ってるの?」


「だって、さっそく噂になってたぜ。また姫川が男フッたらしいって」


「えぇ~っ!」


「相変わらずモテモテだな。おつかれ」


なんて、りっくんは呆れたように笑いながら言うけど、こっちは笑い事じゃないよ。


「それ、りっくんに言われたくないよ。自分だって女の子フリまくってるくせに……」


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