【完】俺がずっと、そばにいる。
「いや、ゆずには負けるよ」
「うそ、りっくんのほうが絶対隠れファンがいっぱいいるから!」
「隠れファンってなんだよ。つーか、そんなこと競い合ってどうすんの」
「競い合ってないよ!というか、りっくんが先にからかってきたんじゃん……って、ちょっとなにすんの~!」
するとりっくんは意味もなく私の頭に手を乗せて、髪をわしゃわしゃとかき乱しはじめた。
いつも言い合いになったり話がめんどくさい方向に行くと彼は必ずこうやって私の髪の毛で遊ぶの。
「いいじゃん。どうせ形状記憶みたいにすぐ戻るし」
「なっ……」
りっくんいわく、私の髪はクセのないどストレートだからまるで形状記憶なんだって。
いくらぐちゃぐちゃにしても絡まらなくて、すぐ元に戻るから。