記憶を失くした総長

『__友哉、ほら寝たふりしないで。

起きられる??』

仰向けで倒れる友哉に手を伸ばした。
もちろん血の付いていない方で。
怪訝そうな顔をするものの私の手を掴んだので引っ張って起こす。
私は近くの水道で濡らしていたハンカチを広げ友哉の口元を拭った。

友「…なんで。」
『さっき殴ったから。口の中切ったでしょ??』
友「…さっきまで闘ってたのに。」
『さっきでしょ?今はみんなただの怪我人。…まぁ殴ったのは私なんだけどね。』

私の始めた手当てを諦めたのか抵抗せずに受け入れる。

友「…お前、えっとアムネシア?は大丈夫なのかよ。血、吐いてただろ。それに咳だってまだ…。」
『…あー大丈夫大丈夫。あと本名は麗華だから。女って気づいてたでしょ。』

まぁ、普通に気づいた。
普通に、友哉はそう言ったけど雷華は誰一人気づいてない。
重症患者がいる訳でもないので雷華が去ったことでポツポツと起き上がり始めた元【DaTuRa】の人達。

『…んーどうしようかな…。』

私の独り言が聞こえたようで、友哉は私の顔を覗いた。

友「…どうかしたのか?」
『…この人たちをどこに運ぶか考えてるの…。……そうだ!』

大きな声を出したからだろうか、近くの何人かは私を見た。

『うちにおいで!』

麗華sideend
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