記憶を失くした総長
麗華side

『慎都はなんの曲が好き?』

大体の曲ならやっているから弾けないものはないと…思う。
まあ、何と言われても弾ける自信あるし。
じゃあ、と控えめに慎都の口が開かれると

慎「今の天気に合った曲を。」

…これはもしかしてもしかしなくても私の好きな曲かもしれない。

『分かった。』

1つ、囁くように、言葉を零す。

___雨が降っているようだから…雨だれを弾こうかな

と。

この曲は私が毎日のように聴いている曲だ。

___慎都もこの曲が好きだといいけど。
そう思いながら弾き終えた時、背後に気配を感じたかと思うと肩口に顔を寄せられる。

慎「…ごめん、嬉しくて。またこの曲を聴けるとは思ってなくて、、」

_____ありがとう。

普段よりも敏感になっている嗅覚が慎都を強く感じさせた。
手探りで肩口の慎都の頭に触れる。
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