世界は綺麗だった。

黒服に体調を崩してしまったと嘘をつき、

店を出た。

案の定、高級車に乗っている千景さんがいた。

こんな高級車を乗り回してるなんて、驚いた。


コンコンッ


窓をノックした。

先生が入れ、と言ったのがわかった。

助手席に静かに座り、シートベルトをした。

先生は、車を発進させた。

そして、何も話さないまま大きなマンションに着いた。

「着いたぞ」

『ここは?』

「ついて来い」

無視ですか。

とりあえず、仕方ないのでついていく。

先生が、エントランスで番号を入力し終わると、

自動ドアが開いた。


…


今、ここは最上階らしい。

ドアを開けると、

「ここが俺の部屋だ、入れ」

と言った。

高級車といい、この家賃高そうな広い部屋といい、

何者なんだ、と思った。

『…お邪魔します』

「コーヒー飲めるか?」

コーヒーを注ぐ先生に、

『飲めます』

と答えた。


テーブルの所に座って待ってると、

先生がコーヒーを1つだけ持ってきた。


『あの、働いてる事学校に言うつもりですか?』


正直、学校には通いたい。

だけど、もし、学校言われて退学になっても

私は働かなきゃいけない。

じゃないと生活できないからだ。
< 10 / 12 >

この作品をシェア

pagetop