ネイビーブルー

次はいよいよ、校内見学。

好きなところに、自由に見学しに行っていいらしい。

うちわ代わりにしていたせいで、よれよれになったパンフレットを広げる。


え、調理科が作ったケーキの試食?!
これ食べたい~っ!

「ねぇ私、ここ行きたい!家庭科室!」

ハイハイー!と手を挙げる。



「なに言ってんの!
この高校と言えば、バスケ部でしょ」


「はぁー?バスケ~?」

真奈美こそなに言ってんの?
というか、この子バスケに興味あったっけ?



「この高校、バスケ強いらしい。
そんで今から練習試合あるんだって!」


「いやいや、バスケよりケーキのがよくない?
バスケはなくならないけど、ケーキはなくなるよ?」

おぉ我ながら上手いこと言った。


「加奈ってほんと、にぶいわぁ。
イケメン!多いんだって、ここの男バス。」


反対側の体育館を指差しながら、目を輝かせている真奈美。


この子はほんっっっと!イケメン好きなんだから。
けど部活男子は私も嫌いじゃない。


「しかたないなぁー!
じゃぁ、バスケの次はケーキね!」


「加奈、ありがと~!」


うきうきな真奈美に抱きつかれながら、私たちはもう一つあるという体育館へ向かった。
< 5 / 82 >

この作品をシェア

pagetop