ネイビーブルー
次はいよいよ、校内見学。
好きなところに、自由に見学しに行っていいらしい。
うちわ代わりにしていたせいで、よれよれになったパンフレットを広げる。
え、調理科が作ったケーキの試食?!
これ食べたい~っ!
「ねぇ私、ここ行きたい!家庭科室!」
ハイハイー!と手を挙げる。
「なに言ってんの!
この高校と言えば、バスケ部でしょ」
「はぁー?バスケ~?」
真奈美こそなに言ってんの?
というか、この子バスケに興味あったっけ?
「この高校、バスケ強いらしい。
そんで今から練習試合あるんだって!」
「いやいや、バスケよりケーキのがよくない?
バスケはなくならないけど、ケーキはなくなるよ?」
おぉ我ながら上手いこと言った。
「加奈ってほんと、にぶいわぁ。
イケメン!多いんだって、ここの男バス。」
反対側の体育館を指差しながら、目を輝かせている真奈美。
この子はほんっっっと!イケメン好きなんだから。
けど部活男子は私も嫌いじゃない。
「しかたないなぁー!
じゃぁ、バスケの次はケーキね!」
「加奈、ありがと~!」
うきうきな真奈美に抱きつかれながら、私たちはもう一つあるという体育館へ向かった。