Miss you・・・
エレベーターにカードキーをスキャンさせている蘇我さんに追いついた私は、「太っ腹なんですね、蘇我さんって」と言った。

「カードキー再発行の手続きって、すげーめんどくせーんだよ。手数料も高いし。それに比べりゃ、シェリダン1泊なんて安いもんさ」と言う蘇我さんに、私は「なるほど・・・」とつぶやいて、エレベーターに乗った。

「ちなみに、再発行手数料って、おいくらなんですか」
「税込みで5万」
「ええっ!!」
「それもあるから、明にはまだカードキーを渡したくないんだ」
「はい、ごもっともです」と私は言って、無意識のうちにポケットに手を入れて、カードキーに触れていた。

こんなプラスチックの軽いカードが、そんなに高価なものだなんて・・・。
前回とは違う意味で、カードキーが重く感じた。

「明が中学生になったら、明の分も作ろう」と蘇我さんが言ったとき、エレベーターの扉が開いた。

明が中学生になるのは、まだ数年先の話だ。
そんな未来のこと、誰にも分からないじゃない。

私たちがまだ蘇我さんと一緒にいるなんて、誰にも分からないじゃない。
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