復讐劇は苦い恋の味
忘れたくても、忘れられない日々。それは彼の一言からはじまったんだ。


* * *


新学期を迎えると、クラスでは席替えが行なわれた。

一学期はうまく友達が作れなかったけど、二学期は同じクラスに友達を作りたいと思っていた私は、この席替えがきっかけになればいいなと思っていた。

男女それぞれクジを引き、引いた番号の書かれた席に移動し始めたわけだけど、私の席は真ん中の一番後ろだった。

そして隣の席が彼、君嶋くんだったんだ。

君嶋くんは、入学して一週間も経つ頃には、クラスの中心人物となっていた。


背が高くてカッコよくて。明るくてはつらつとしていて。ちょっとやんちゃな一面もあり、よく先生に怒られていたけれど、だからこそみんな彼を慕っていたと思う。

小学生の時からミニバスをやっていて、バスケ部に入部し一年生ながらレギュラー入りし、君嶋くんはクラスだけではなく、学校でもなにかと目立つ存在だった。

けれど私は、そんな彼に好かれていなかった。

直接言われたわけではないけれど、態度で一目瞭然だった。
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