15歳、今この瞬間を
それから夢希を家の前まで送り届け、俺はひとり家路へ向かっていた。

「…くく……っ」

俺に起こされた夢希は、俺に寄りかかって眠っていたことに気が付くと、きゃあきゃあとテンパっていた。

それは、俺が思い出し笑いをするほど、可笑しな光景だった。


夢希と付き合うという案は、少しやりすぎのような気もしたけど、そんなに悪いものでもなかった。

それに何より、ロウに与えたダメージを考えると、優越感でいっぱいだった。

学校で席が前後になったというのに、ほとんど絡んでこないところを見ると、受けたダメージは相当なんじゃないかと思う。


俺の中には、今もありさが居るーーー正直、夢希のことは何とも思っていない。

それでも俺が夢希と付き合っている以上、ロウは諦めるしかないんだからな、ざまあみろだ。


ロウ、それだけの事をしたんだから、仕方ないよな……?

お前のせいでありさはーーー……。





< 141 / 287 >

この作品をシェア

pagetop