15歳、今この瞬間を
オレのことを知りたいと言っていた夢希に、本当に話していいのだろうかと躊躇う気持ちが生まれる。

夢希はきっといくつかの点の情報を持っていて、それを繋げて線にしたいんだと思う。

だから、オレだけのことを知りたい訳じゃないんだ。

思いつきで夢希を水族館に誘ったけど、リョウに話しておかないとまた荒れるかもな…。

そんなことより、全部を話したら……夢希を傷つけてしまうだろうな。

それは嫌だな。

「…はぁ」

柄にもなくため息をつくオレを、ありさが笑っているんじゃないかーーーそんなことを想いながら、オレはまた窓の外を眺めた。


「……」

ありさ……そろそろ、話してもいいかな。

ありさの気持ちーーそれから、オレの気持ちもーーー…。







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