15歳、今この瞬間を
「ありがとうございます!でも急だとママに怒られちゃうから、またにします」

「あらそう?じゃあ次は泊まりにでもいらっしゃい、おばさん楽しみにしてるから」

勝手に何を言ってるんだか……。

「わぁ!わたし、夢希ちゃんも夢希ちゃんのママも大好きだから、嬉しい!」

「まあ、おばさんも小野ちゃんのこと大好きよ。ゆっくりしていってね〜」

そう言うと、やっとお母さんは部屋から出て行ったけど、

「夢希ちゃんのママって、優しくて少し天然でかわいいよね〜いいな〜」

「……」

まだ、お母さんが部屋にいるみたいだった……。

天然、って…小野さん、あなたもじゅうぶん天然ちゃんだよ。

「あ、わたしの大好きなフレンチクルーラーだ!いただきまーす」

でも、満面の笑みでドーナツを頬張る姿は、不思議と恨めない。

< 188 / 287 >

この作品をシェア

pagetop