15歳、今この瞬間を
「2人とも夢希ちゃんのために、本当にありがとう。おやつ持ってきたわよ」

お母さんは、あたしの好きなバームクーヘンとコーラをおぼんに乗せていた。

「ありがとうございます」

丁寧な菊谷くんに対して、

「うまそー。オレ勉強しすぎて腹ペコだわ」

本能丸出しの佐久田くん。

対照的で、見ていて飽きない感じ。

「ふふ、そうね、頭を使うとお腹がすくものね」

それに加え、相変わらずほわほわしたお母さん。

てかまだ2人が来てから30分しか経ってないし。

ーーそう、30分前、何の予告もなく2人は家に来たのだった。

いつもの様に自分の部屋で過ごしていたあたしのところに、お母さんが突然2人を連れてくるんだもん、どうしようかと思ったよ。

勉強を教えてくれると聞いたお母さんはニコニコで、あたしも、あたしのためだなんて言われたら断るに断れず…今に至る。

「おとといも来てくれたのに、おばさんホント嬉しいわぁ。菊谷くんは相変わらずイケメンだし」

「おばさん、オレは?」

「佐久田くんは10年後が楽しみなタイプだわね」


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