全て美味しく頂きます。
 私の決意。
 今日はたくさん、たくさん泣いて。
 明日、杉原さんに正式にお別れを言う。

 祥善寺が私の背中を押してくれた。


 彼に背を向け、とぼとぼと歩き出した私を、彼は黙って見ていた。

「___そうだ、祥善寺」

 振り返ると、まだその場所に祥善寺が立っていた。
 私の声で、ふっと顔を上げる。

「迷惑ついでに、もうひとつだけお願いしていい? 
 給料入ったら、もっとちゃんとしたものご馳走するからさ」
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