only
第6章

過去の話



午後の授業は、今日も陽太と一緒に帰れるんじゃないかって考えていたらいつのまにか終わっていた。

7限目がおわり、ホームルームで担任の先生は言う。

「この学校では勉強が一番大事だということを、肝に銘じておいてくれ。いいな」


たしかに勉強も大事。中学のころの自分なら勉強がすべてだと思っていただろう。
だけど私はもう、友達も大事だと思えるようになっていた。


チャイムの音がして、みんなは徐々に帰っていく。
みんなでカラオケに行こうと盛り上がっていたり、1人耳にイヤホンをしたまま足早に教室を出たり。


私はまだ、教室にのこったままだった。


ーーー来てくれるかな。



だけど5分経っても、10分経っても、陽太は来ない。

< 87 / 87 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop