海へ...
あたしの仕事は網を引くことだった。

カオルの船に乗って沖へ出る。そして、網を引っ張ると、中にお魚がたくさん入っていた。カニやタコ、イカにウナギも捕れた。


「どうだ、楽しいだろう?」

「うん、海を見てるより、楽しい」


あたしが網を引き揚げると、横でカオルが網を仕掛けた。

息のあったコンビネーション。


「よし、見てろよ」


カオルが釣り竿を取り出した。


パーン。


すぐに魚が釣れた。

大きい。


「すごい。これ、なに?」

「カジキマグロさ」


カオルはその場でマグロを捌いてくれた。


「ほら、食ってみろ」

「あたし、お刺身はお醤油がないと食べれない」

「いいから、食ってみろって」


強引にマグロの切り身をねじ込まれた。


おいしい…………。


「新鮮だからな。醤油なんかつけなくても旨いんだ」


カオルってカッコイイ……。
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