愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。

「暫くまた忙しくなると思うが1ヶ月後、必ず迎えに行くから」


それは…、その間会えなくなるってこと?

真剣な瞳に心が揺さぶられる。彼はけっして冗談で言ってるようには見えないし、むしろ何かを決意した清々しい顔をしていた。


「悪いようにはしない。むしろ期待して待っててくれたら助かる」

「……わかりました……」


不安だけどしょうがない。

また1ヶ月コウさんに会えない日々が続くのだと思うと、当然寂しさが込み上げるけれど、コウさんがここまで言うのだから致し方ない。


「今日はその分たっぷり愛してやるから」

「ひゃっ……んっ…!」


下腹部に刺激が入り込み、何も考えられなくなった。

再びコウさんの熱いキスが首筋に、色んな場所に降り注ぐ。

甘い痺れに目の前がチカチカとして真っ白に染まっていく。


「次会えた時、新年会も兼ねて改めてクリスマスのやり直しでもやるか?」


耳元でそう囁かれ、コクコクと頷いた。

こんな時にそんな約束はずるい…

そう思ったけれど、そんな一言で楽しみに待つという心構えができてしまった。


やっぱりコウさんには敵わない。

私なんかよりも2枚も3枚も上手のようで、翻弄されずにはいられない。

だけどもずっとこうして彼の隣にいたい。

今日は色んなことがありすぎて大変な1日だったけれど、そんなことを願ったクリスマスは忘れられない、彼との特別なものになった。
< 148 / 282 >

この作品をシェア

pagetop