溢れる愛ばかり


『み、翠。本っ、本読んでみたいな』


今にも部屋を出て行こうとふらり、立ち上がった翠。



私は依を助けるため、話をそらすことにした。




「本ですか?.....チッ、後でにするか。」


.....ごめん依。助けられなかった。


私は心の中で手を合わせる。せめて、骨は拾ってあげるよ。


「尊はどんな本が読みたいですか?」


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