ブルーベリーララバイ

その夜、あたしはマニュアルを見ながら、ケータイの設定をした。

まずは、電話をかけられるようにしなくは、そして次は、メアドだ、メアド。
そして写メ。

とりあえずこれだけできればいいだろう。

あとは、翔太や有紗に聞こう。

そして、ついに「メアド」を取得した！

あたしが一番最初にメル友にしたいのはもちろん翔太だ。

そして次が有紗。

でも、翔太は３番目のメル友になった。

１番と２番は両親である。

両親は友だちじゃないけど、日曜日、ママとパパにメアドを教えて、あたしのケータイにメールを送ってもらった。

初めてもらったメールは、ママからだ。

題名：友梨亜へ
本文：ハロー
ママより

たったこれだけ。

パパも似たようなものだった。

題名：ユリアへ
ケータイで遊びすぎないように
パパ

ま、いいや。

それでもメールが受信したときに、音楽がなって、ちょっとワクワクした。

ママは、電車の中や授業中はマナーモードにしなさい、とあたしに言った。

あ、翔太が言ってた「マナモ」ってマナーモードってやつか。

マナモにすると、ケータイが鳴っても、ぶるぶるって電話が振動して音が出ないんだって。

ママとパパを相手にメールをした。

メール操作は簡単だった。

明日翔太にメアドを聞けば、翔太とメル友になれる。

あ、もしかしたら明日の夜とか、「おやすみ」メールを翔太くれるかも。

あたしは、ケータイで翔太をやりとりすることを想像して、にやにやとしながらベッドに入った。

ケータイは枕元に置いて寝た。

あー、 早く翔太の驚く顔が見たい！