ブルーベリーララバイ

2.高校生活

翌朝、昨日と同じ電車に乗ろうとした駅にいったら、翔太がホームにいた。

昨日は気付かなかったけれども、昨日も同じ時刻にホームにいたんだろうな。

「おはよー!」と、声をかけて近寄ろうとしたとき、翔太がこっちを振り向いた。

一瞬、ドキっとした。

(あ・・・まただ、あたし)

一晩寝て、昨日のドキドキは忘れていたんだけど、急にドキドキがまた始まったのだ。

翔太はそんな私の気持ちなど気付く様子もなく、

「おっはよー、友梨亜ちゃん」

と声をかけて近づいてきた。

翔太は、イイ顔をしている。

イケメンだと思う。

昨日は気付かなかったけれども、翔太は髪にムースをつけているのか、無造作な感じがしながらも、髪はきちんとまとまっていた。

よく見ると、翔太の眉はりりしく太かった。
目は、二重まぶたで、わりと大きい。

そしてすっと通る鼻筋。

鼻は高くいい形をしている。

口は・・と思ったところでなぜか恥ずかしくなった。

「お、おはよう・・・。ってかー、気持ち悪い~、翔太に友梨亜ちゃんって呼ばれるの!」

実際ほんとのことだ。

調子が狂うよ。

いままで、「お前」って呼ばれていたのに、いきなり。

ただでさえドキドキして調子がおかしいのに、さらに調子が狂ってしまうではないか。

「あら、気に入らない? んじゃ、友梨亜って呼ぼうかな。」

「いいけど・・。どしたの急に?」

「別に。ツレが彼女のことを呼び捨てにしているのを聞いて、呼び捨ていいな、って思っただけ。」

彼女って・・・・?

と聞き返そうとしたとき、

「ま、俺等は友達だけどな。」

と、翔太。

ほんの一瞬、翔太はもしかしてわたしのこと・・・と期待をしたのもつかの間、わたしは、頭をガーンとかなづちでなぐられた気分だった。

今までだったらどうってことなかったのに。
今日はショックが大きい。

それでも翔太と電車の中で話をしながら通学した。



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