赤い刻印 - Secret Love -
文幸はいつものような明るい笑顔でそう言って、私にVサインをした。

「ほら、早く行かないと。寒いから風邪引くなよ!」
「文幸…。本当にありがとう」



文幸に背中を押される形で駅へと急ぐ私。
季節外れの雪はますます激しくなっている。

大きな荷物を抱え駅のホームに立つ村田先生を見つけ、私は精一杯の声で叫んだ。


「先生っ!!」

先生は私を見て驚いたような表情を見せた。

「矢沢!?」
「へへっ。驚いた?」
「驚くに決まってるだろ。何してるんだ?」
「見て分からない?」

私はそう言って笑顔でボストンバッグを見せる。

「分からない。その荷物は何だ?」
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