それは無理です
今はそれどころじゃない…
「叶っ!」

「姐さんっ!」

……私のお城…平屋の小さな一軒家のお家に。

ヤクザが来ました。

大所帯過ぎるだろ。

「叶…。」

『桃(もも)?!』

ちかと吏苑を押し退けて、私に抱きつくのは弟の桃汰(とうた)。

漢字に〝桃〟の字が入ってるから、私は〝もも〟と呼んでいる。

「叶、全部聞いたよ。家に帰ろう?天宮には帰る必要ないから!」

「何言ってんだ、桃汰!叶は天宮叶のままなんだよ!家に帰るに決まってんだろーが。」

えっ、天宮のままなの?

「そうですよっ!姐さんは天宮の人間なんです!」

「お前らが言うんじゃねぇよっ!お前らがしでかしたことだろーがっ!叶に近寄んじゃねぇ!」

天宮サイドと堂上サイドの人間が真っ二つに別れて、言い合ってるこの構図。

何、これ?

一体何十人いるのよ…。

「叶は家に帰るよね?!」

相変わらず可愛いな、うちの弟は。

結婚に大反対だったもんな。

「叶はオレの嫁だ!子供もオレの種だぞっ!」

…バカちか。

「姐さんはオレの大事な人です!傍にいないともう耐えられません!」

吏苑壊れた?

号泣してんだけど。


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