病院嫌いなのにステップファミリーはお医者さん
喘息
秋になって、今年はよく台風がくる。
気圧の変化のせいか、喘息が毎晩のようにでる。
大きな発作じゃないし、吸入したらすぐ治るから安心していたけれど、学校からの帰りのバスでだんだん、息苦しくなってきた。
バスの中で持ってた吸入をしたけど、あんまり良くならない。バス停について、歩いて帰るのが不安で家に電話した。
パパはクリニックだし、ママも仕事かなって思いながらも電話してみた。

「もしもし、原田です」
「あっ、お兄ちゃん?ゲホっ、由美なんだけどゴホゴホッ」
「どうしたの?咳出てるじゃん」
「バス停から帰る ゴホゴホ 歩いてるんだけど、ゴホッ 不安で。。。」
咳に邪魔されながら説明した。
「由美ちゃん?迎えに行くから待ってなさい。」ってお兄ちゃんに言われて電話が切れた。
バス停のベンチに座っていたら、10分もしないうちにお兄ちゃんが車できてくれた。
「由美ちゃん、大丈夫か?動ける?」
「うん。ゴホゴホゴホゴホ」頑張って車に乗り込んだ。
「ゴホ ありがとう」咳が止まらない。
「吸入はした?」お兄ちゃんに聞かれて、うなづいた。
「じゃ、クリニックに行くぞ」って言われて、そのままクリニックに直行した。
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