千秋先輩。その鈍感、本気ですか？

「…不意打ちはずるいって…」





「とか言いながら、あんまり差無いのがあやのこえー所だよな」






「う、るさいな！」





猛ダッシュで来たから酸素量が足りない。





「おはよっ！綾乃ちゃん！輝くん！」




愛海ちゃんだ。





「…おはよう！」





どうしよう。申し訳なくて、顔がちゃんと見れない。





「おはよー。愛海ちゃん、今から時間ある？ちょっと話あんだけど」





輝が愛海ちゃんに秘密話するみたいに呟く。





「うん。分かった」





２人は私を置いて、どこかへ行ってしまった。

何あの空気!?初めて見た…



１人で教室に向かおうとすると



〈こっそりついてきて！〉

と愛海ちゃんが合図してくる。





(いいのかな…ごめん輝！！)
なるべく足音を消して２人の後を追う。