千秋先輩。その鈍感、本気ですか?

勝負





《試合が終わるまでは夜の練習には来ないでほしい。》



朝来た千秋先輩からのメールに溜息をつきそうになる。



部活ではマネージャーとの連絡は七菜先輩がしててほとんど話せないから夜の練習が楽しみだったのに。



でも、私が決めたし私のために先輩は勝負を受けてくれたんだ。

それに感謝しないと。膨れてる場合じゃない。





「綾乃ちゃん。輝君から聞いたよ。その…大丈夫?」





「愛海ちゃん…」




愛海ちゃんはいつだって優しい。

この前の輝のことがあってから何も態度を変えずに接してくれてる。





「ありがとう。愛海ちゃんは優しいよね」





「全然優しくないよ。私、性格悪い嫌な奴なんだ」




愛海ちゃんの顔が曇る。





「私、輝君からその話を聞いた時『輝君は負けちゃえ!千秋先輩勝って!』って思っちゃった。
最低だよね。好きな人の負けを願うなんて。
輝君だってものすごく頑張ってるのに」





「…愛海ちゃんはよく自分のこと"最低だ"って言うけどそんなこと全く無いよ。
強いと思う。私、いつも自分のことばっかりで周りのこと見えてないから」





「…綾乃ちゃんだって、優しいよ?
…試合、どうなるんだろうね」




「うん…」
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