宵の朔に-主さまの気まぐれ-
本来は腹など減るはずがないのに、ここへ来てから毎回食べていたせいか、食べないと腹が空いているような気分になって、食卓の上の料理はほとんどが空になった。
「わあ、嬉しいっ。みんな完食してくれてありがとう!」
「でも先代の分が…」
「大丈夫だよ、主さま…じゃなかった。十六夜さんの分は別に作ってあるから」
とっぷり夜も暮れてそろそろ十六夜が戻って来る時間になると、朔は満腹で腹を撫でている凶姫に声をかけた。
「じゃあ部屋に戻ろう」
「…え?…いえ、私は……そうよ、私今夜は柚葉と一緒に寝るから!」
「え?なんで?」
「だって柚葉はどうしようもない私の傍にずっと居てくれたんだもの。目が見えるようになったんだからもっと柚葉と接していたいの。だからあなたはどうぞご自由に」
手持無沙汰になった朔が輝夜に視線を遣ると、こちらはこちらで肩を竦めて反対する気がないようで、朔はそんな弟の肩を抱いて笑いかけた。
「じゃあ俺たちは俺たちで積もる話でもするか」
「ええそうですね」
話がまとまると、凶姫たちは先に居間を出て行き、次いで朔たちも居間を出ようとすると、息吹ににっこり笑いかけられた。
「ちょっと輝ちゃんは残ってもらえる?」
「え…私だけですか?」
「うんそう。朔ちゃんも居ても別にいいけど、どうする?」
「じゃあ輝夜、俺は先に戻ってるから」
嫌な予感しかしなかった朔が縋る視線で見つめてくる輝夜を振り切って居間を出て行くと、息吹は隣に座って童にするように頭を撫でた。
「じゃあ輝ちゃん、母様とお話しようか」
「あ…え、ええ…はい…」
嫌な予感しかしない。
背中を丸めて息吹の前で正座した。
「わあ、嬉しいっ。みんな完食してくれてありがとう!」
「でも先代の分が…」
「大丈夫だよ、主さま…じゃなかった。十六夜さんの分は別に作ってあるから」
とっぷり夜も暮れてそろそろ十六夜が戻って来る時間になると、朔は満腹で腹を撫でている凶姫に声をかけた。
「じゃあ部屋に戻ろう」
「…え?…いえ、私は……そうよ、私今夜は柚葉と一緒に寝るから!」
「え?なんで?」
「だって柚葉はどうしようもない私の傍にずっと居てくれたんだもの。目が見えるようになったんだからもっと柚葉と接していたいの。だからあなたはどうぞご自由に」
手持無沙汰になった朔が輝夜に視線を遣ると、こちらはこちらで肩を竦めて反対する気がないようで、朔はそんな弟の肩を抱いて笑いかけた。
「じゃあ俺たちは俺たちで積もる話でもするか」
「ええそうですね」
話がまとまると、凶姫たちは先に居間を出て行き、次いで朔たちも居間を出ようとすると、息吹ににっこり笑いかけられた。
「ちょっと輝ちゃんは残ってもらえる?」
「え…私だけですか?」
「うんそう。朔ちゃんも居ても別にいいけど、どうする?」
「じゃあ輝夜、俺は先に戻ってるから」
嫌な予感しかしなかった朔が縋る視線で見つめてくる輝夜を振り切って居間を出て行くと、息吹は隣に座って童にするように頭を撫でた。
「じゃあ輝ちゃん、母様とお話しようか」
「あ…え、ええ…はい…」
嫌な予感しかしない。
背中を丸めて息吹の前で正座した。