ロッカールーム
☆☆☆

夜中の1時半。


あたしはサクは祖母を起こさないようにそっと家を出た。


昨日は後ろめたさがあったけれど、今日はお父さんに会いたいという気持ちの方が大きかった。


夜の街はとても静かで誰もいない。


まるで世界にサクとあたししかいないような感覚だ。


2人で自転車をこいで旧校舎に到着すると、すぐに校舎へと入って行った。


2度目だからだろうか、昨日のような恐怖心はどこにもなかった。


心にも余裕があり、あたしは教室の中を見て回ったりした。


教室の中はどこもほこりだらけで、ガランとしている。


机や椅子はすべて撤去されていて、床や壁のシミが目立つ。
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