ロッカールーム
「アカリ、今忙しい?」


椅子を持って来てそこに座って聞くと、アカリは顔を上げた。


「大丈夫だよ。何? バイトの話?」


そう聞かれてあたしは一瞬キョトンとしてしまった。


そして昨日の話を思い出す。


そう言えば一緒にバイトをしないかって誘われてたんだっけ。


「ごめん。まだ決まってない」


そう言いながらも、バイトをする時間があれば仮眠をとる必要があると思っていた。


放課後は真っ直ぐ帰って仮眠して、夜に備えるのだ。


バイトや部活をする時間なんてない。


「そっか。まぁゆっくりでいいよ」


「それよりさ、この前教えてくれた噂について聞きたいんだけど」


「噂って、なんだっけ?」


プリントをすべて写し終えたアカリが首を傾げた。
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