X'masの奇跡
優斗との喧嘩から 数日。



優斗からの着信のならない携帯を見つめ、
不意に掛けようとした莉菜だが、

ひとりで考えた後は 自分から きちんと連絡をしてくる優斗の性格を知っている故に
掛けるのは やめておいた。


同じ職場なので 仕事中に見掛けることもあったが、
敢えて 声は掛けなかった。



そして、数日後。




お昼休憩で 同僚と 女同士和気藹々な昼食中に
優斗から莉菜への着信。



「もしもしっ」

「おつかれ」

「おつかれ~」

「今 電話いいか?」

「うんっいいよ。ご飯食べ終わったとこ」

「そっか。
今日、仕事終わりに 式場、行けるか?」


優斗の声の感じから、
莉菜は 何も言わず、
優斗の落ち着けた心境を 組んであげる。



「うん、大丈夫だょ。残業も無さそうだし」

「じゃあ、終わったら 一緒に行こう」

「うんっ。
あっ、私、午後は外回りなんだ。
ちょうど 式場の辺り」

「あぁ、そうなんだ」

「うん。
だから、仕事が終わったら 式場で待ってるね」

「わかった。じゃあ、あとで」

「うんっ」














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