恋のまなざし
秋のまなざし
トンッ

突然肩をたたかれて、私は驚いた。

「ハンカチ、落としましたよ」

普通なら、「ありがとうございます」で終わるだろう。けれど、そうにもいかなかった。

なぜなら____


落としたハンカチを拾ってくれたのは、彼は容姿は…

茶色に染められた、ワックスでまとまった髪。

チラリと見える、片方だけの白いピアス。

着崩した制服。…もちろん全て校則違反だ。


つまり…彼は、『ザ・不良』なのである!


「あっ、ありがとうございましゅ…!」

最後の言葉を噛んだ気がするが、ここは早く教室に戻らなくては。

「あ、うん」

不良さんを刺激しないよう、そぉーっとハンカチを受け取り、小走りで階段を上がり、教室へ。



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